石巻地区公共工事発注見通しの分析について


東日本大震災による復興工事で、沿岸部に所在する土木業者は忙しい日々を送っていることと思います。

自社も例外なく、フル稼働状態にあります。

先日、何気なしに国交省の公共工事発注動向をホームページで調べていたところ、当たり前かもしれませんが、東北3県以外の公共工事量は横ばい状態なのです。

ここで重要なことは、どこまでこの繁盛期が続くのかというところです。

国交省の調べによれば、2037年に国が支出できる建設投資額と今まで投資した公共物の補修費が逆転するというのです。

つまり、2037年(24年後)には新規工事ができない状態になるということです。

これに、被災県以外の公共工事動向と平成27年までしか復興予算を組んでいない現状を加味すると、早ければ平成30年(あと5年後)には震災前の状態、もしくはそれより悪い状態になる可能性があるということです。

5年で復興が終わるわけないだろうと思われる方も大勢いらっしゃると思いますし、私も5年で完全な復興が終わるとは思っていません。

しかし、国の上記財政状態や他県公共投資額を見た場合に被災県を何時まで優遇できるのか?や、石巻市は震災後に土木業者が増えたこと、解体物件が本年8月をもって終了したことで解体業者が土木に新規参入する(所有設備を考えると土木が有力)ことによる業者の過剰を見込むと、震災特需による繁盛期はそう長くは続かないだろうと見ます。

また、本年の宮城県および石巻市の入札動向を見ても、S・Aクラスによるたたき合い(今のところ優良物件?)が始まってきました。

自社クラス(B)に波及するのも時間の問題と思われます。そこに予算不足による公共工事減少が加わった場合には体力の削り合いが発生します。

つまり、同業者が減り(倒産等)、公共工事と業者数がバランスするまで内部留保を削りながら我慢する状態に入っていくわけです。

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※この記事はHP担当者分析結果の見通しによるもので、今後の動向を保障するものではありません。